既婚者合コンはどこも「満席」だという。写真はイメージ(写真/PIXTA)
既婚者合コンはどこも「満席」だという。写真はイメージ(写真/PIXTA)

 コロナによる自粛ムードから世の中が少し開放されるようになった6月某日。“大人の街”として知られる東京・中央区の瀟洒なイタリアンレストランに男女17人が集まり、今話題のアンジャッシュ・渡部建氏による不倫騒動について盛り上がっていた。

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「さすがに多目的トイレでは経験ないなぁ」
「いろんな人に手出しするのはちょっとね」

 男性陣からは、渡部氏を批判するような意見が続いたが、筆者はそれを鼻白む思いで聞いていた。なぜなら、男性陣は既婚者にもかかわらず合コンに参加してきた面々であり、「既婚者合コン」という特異な空間にいたからである。

 筆者はクリエイター系の夫を持つ人妻であり、既婚者だ。今回、取材で「既婚者合コン」に参加するにあたり、夫への了解を求めると「いいんじゃない。面白い話あったら聞かせてよ」とどこ吹く風。妻の合コン参加も「ネタ探し」くらいに思っているのがクリエイター系夫のいいかげんさであり、逆にいい所でもあるのだが……。

 取材を始めて驚いたのが、ほとんどの既婚者合コンが“キャンセル待ち”状態であったこと。これだけ不倫が騒がれる世の中でも、いかに既婚者が出会いを求めているのかがわかる。

 なんとか空きがあって滑り込んだ今回のイベントは、参加費が男性は1万円、女性は3000円。独身向けの街コンなどと比べると、全体的に割高な印象を受ける。レストランに集まった参加者は男性10人、女性7人の総勢17人。男女ともに既婚者であることが参加の条件だ。

 パっとみた感じ男性は、サラリーマンと思われるスーツスタイルがほとんどで、女性は、美容やオシャレに気を使っているという印象。年代は30代~40代くらい。双方ともにギラギラした雰囲気はない。

 参加者がそろって席についた19時。乾杯の合図で既婚者合コンがスタートした。まずは簡単な自己紹介から、コミュニケーションタイムへと移る。

「初めまして。私のことは○○と呼んでください。趣味は旅行です」

 など、いたって普通の自己紹介が続く。今回参加したのはグループ形式の合コンだったため、皆でひとつの会話を共有する形だった。

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ほとんどの参加者がすでに“知り合い”