「お互いの家の中を携帯カメラでみせあって、『リモート訪問』みたいなこともしましたし、住所についても教えあっていました。互いの結婚観もそうですが、性癖についても話し合いました。相手からは『私は性行為の時にS気味になるのですが、大丈夫でしょうか。お互いにSだと、ぶつかりあってしまう』という具合です。40代を過ぎると性交渉自体を嫌う女性もいるため、その点も問題ないかを聞かれました。いずれも大丈夫だということを伝えると、相手も安心したようです」

 オンラインといえど、お互いのことは知り尽くした。そんな思いがあったからこそ、決断できたのだろう。だが、周囲は反対しなかったのだろうか。

「両親や兄弟、子どもにもまだ報告していません。両親は『私たちが生きている間はもう結婚しないでくれ』と冗談半分に言っていたので、様子をみています(笑)。子どももまだ5歳なので、そもそも父親とはなんなのかをまだ理解できていない。友人には事後報告でしたが、みんな祝ってくれました。これまで3回もご祝儀をもらってしまっているので、『式をあげる場合はご祝儀なしの会費制にするからね』と説明しています」

 そして、「今、すごく幸せです」と話す平山さん。彼女にとって、オンラインは壁とはならなかったようである。今後は、婚活の講師としての活動を始め、自身の経験を多くのシングルマザーたちに伝えていきたいという。(AERA dot.編集部/井上啓太)