その後、野茂に続きマック鈴木(マリナーズ)、伊良部秀輝(ヤンキース)、長谷川滋利(エンゼルス)ら日本人投手たちが次々にデビューを果たしたが、アメリカでは野茂のような騒ぎにはならなかった。その後、牧野さんは帰国し、2001年、2002年には旅行としてオハイオに赴き、通っていた母校(高校)に立ち寄ったそうだが、その時には「イチローは凄い選手だな。日本でもやっぱり凄かったのか?」という質問を受けたという。

 このエピソードからも、野茂とイチローは現地アメリカでも別格の存在であったことが感じ取れる。また、スポーツ選手が同じ国の出身の人間に与える影響力が絶大であることも分かるだろう。

 今季はコロナウイルス拡大の影響もあり、いまだ開幕日が決まらない状況が続いているメジャーリーグ。しかし、今回紹介したようにスポーツの力は計り知れない。

 今年は筒香嘉智(レイズ)、秋山翔吾(レッズ)、山口俊(ブルージェイズ)の3人の日本人選手が海を渡ったが、彼らが野茂やイチローのように現地でも話題となるような活躍を見せ、アメリカに住む日本人が誇れるような存在になって欲しい。