■「仕事している姿」他タレントにアピール

 世間であれだけ不評となったアイテムを身に着けてタレントイメージに傷がつかないか心配になるが、彼女たちはある意味、うまくマスクを活用してアピールしているようだ。しかし、さらに「タレントやモデルのマウンティングの道具となっている」と言うのは大手芸能事務所のマネージャーだ。

「二番手、三番手のタレントやモデルの間では、SNSを使ったマウントの取り合いが加熱している印象がありますね。アベノマスクにしてもそうです。彼女たちも仕事をキープするのに必死ですからね。彼女たちの場合、メディア側にスケジュールを仮押さえされることがよくあるのですが、結果、その仕事がキャンセルになったとき、テレビのオンエアや雑誌などをチェックして『自分が受けていたオファーを最終的に受けたのはだれなのか』を念入りにチェックしているんです。そうしたなか、アベノマスクをつけて現場入りしていることをSNSでアピールすることで、仕事にありつけた子は、それを他のタレントやモデルにみせつけているというわけです」

 コロナ禍で仕事が減るなか、アベノマスクは小顔アピールやマウントを取るための絶好のアイテムだったということか。ところで、前出のマネージャーによると「プライベートな場ではタレントはあまりマスクをつけていない」と語る。

「タレントやモデルは顔バレを嫌って普段からマスクして外を歩いているイメージが強いかもしれませんが、実は常備していない人も多いんです。帽子を目深にかぶって、すっぴんならそうそうばれないしですし、メイクする人はマスクについちゃいますからね。コロナ禍では自宅から出るとバッシングに遭うので、自宅で粛々とSNSを投稿するくらいしかやることはなかったみたいです。だからこそ、話題になりそうなアベノマスクに飛びついた人が多かったんだと思います」

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、そんな彼女たちの行動についてこう分析する。

「コロナ禍で芸能人にとって活躍の場であるテレビ収録や各種イベントなどが軒並み中止・休止の憂き目に遇ってしまいました。大御所クラスも打撃を受けており、まだまだ頑張って稼がないといけない中堅どころや売り出し中の新人・若手の経済的な被害は甚大です。そんな時、少しでも話題性のあるアイテムに便乗して存在感をアピールすることは、止むを得ないとも言えるでしょう。緊急事態宣言の解除に伴い、各テレビ局でも収録が再開されつつあり、さまざまな芸能活動が復旧しつつあります。ここからはマスク抜きで自分の存在をアピール出来るかどうか、その人の真価が問われるでしょう」

 アベノマスクはこうした使われ方をするなんて、政府も想定外だった!?(黒崎さとし)