医師が気づかない心電図の微細な変化も突き止める! AIとのダブル診断でもう見逃さない時代へ

ヘルス

2020/06/20 17:00

EIRL aneurysmは、脳動脈瘤が疑われる箇所が黄色くマーキングされる。解析は通常5分以内に完了する 撮影/掛祥葉子(写真部)
EIRL aneurysmは、脳動脈瘤が疑われる箇所が黄色くマーキングされる。解析は通常5分以内に完了する 撮影/掛祥葉子(写真部)

 AI(人工知能)がブームになって久しい。一時は「人間の仕事を奪われる」など不安を煽る未来予想もされてきた。そのようななか、ある医師は「AIの補助がないと、診断が不安になりましたね」と漏らす。医療はもう「人間だけ」の時代に後戻りできないだろう。人間の想像を超えるスピードで情報を処理するAI。好評発売中の週刊朝日ムック「新『名医』の最新治療2020」から、その最前線の特集をお届けする。

*  *  *
「AIは、ときに人間の医師と同等、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮する可能性があります」

 医療AIに詳しい東京大学大学院医学系研究科特任研究員・「The Medical AI Times」チーフエディターの岡本将輝氏に特集のテーマを投げかけると、まずこの答えが返ってきた。

 近年のAIの急速な進化は、2010年に起きたディープラーニング(深層学習)の高度発達に端を発する。「第3世代AI」の始まりと言祝がれた、業界のターニングポイントだ。これを機に医療用画像を解析するAIの開発に取り組む企業が急増。AI関連企業に関する情報サービス会社・CB Insightsによれば、医療AIスタートアップへの投資額は18年の27億ドルから、19年の40億ドルに増加した。

「19年のAI投資全体が266億ドルであることから、ヘルスケア領域はAI投資を主導していると言えるでしょう」(岡本氏)

■医師が気づけなかった「兆候」、ついに発見

 第3世代AIの根幹となるディープラーニングは、画像認識・解析の技術を飛躍的に向上させた。日本でもすでに画像解析AIを開発し、医薬品医療機器法(薬機法)の認可が下りた企業がある。

 19年には、メイヨークリニック(アメリカ)が業界を沸き立たせる論文を発表した。平常時の心電図から、潜在的な心房細動(不整脈の一種)を識別するAIの研究だ。心房細動は場合によっては脳梗塞などを引き起こす疾患だが、平常時には心電図に変化が見られず、早期発見が困難だった。

NEXT

日本は臨床活用に「高い壁」

1 2 3 4

あわせて読みたい

  • 心房細動患者の3人に1人が脳梗塞に 医師が解説する「見逃し」の防ぎ方

    心房細動患者の3人に1人が脳梗塞に 医師が解説する「見逃し」の防ぎ方

    週刊朝日

    7/30

    人工知能が医療で活躍、お手上げの医師を助ける

    人工知能が医療で活躍、お手上げの医師を助ける

    AERA

    10/1

  • 「たかが不整脈」と甘くみてはいけないこれだけの理由 なぜ脳梗塞のリスクに?

    「たかが不整脈」と甘くみてはいけないこれだけの理由 なぜ脳梗塞のリスクに?

    週刊朝日

    7/18

    MRI画像から脳動脈瘤をAIが発見しお知らせ キーマン2人が語る医療変革最前線

    MRI画像から脳動脈瘤をAIが発見しお知らせ キーマン2人が語る医療変革最前線

    AERA

    1/4

  • 武漢の新型コロナ患者データをもとにAIが学習して診断 中国ベンチャーが開発

    武漢の新型コロナ患者データをもとにAIが学習して診断 中国ベンチャーが開発

    dot.

    4/14

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す