阪神ファンの間で“神格化”されるほどの活躍を披露したバース (c)朝日新聞社
阪神ファンの間で“神格化”されるほどの活躍を披露したバース (c)朝日新聞社

 昨年は3位に浮上したものの、得点数はリーグ最下位と貧打に苦しんだ阪神。今年はその課題を解消すべく、オフにはボーア、サンズと二人の外国人野手を補強している。特にメジャー時代にマーリンズなどで通算92本塁打を放った実績を誇るボーアの注目度が高いが、阪神の外国人野手が加入すると毎年のように挙がるのが“バースの再来”を期待する声である。※以下、成績は阪神在籍時の通算

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 改めてバースの阪神での成績を振り返ると以下の数字となっている。

実働:6年 614試合 743安打202本塁打486打点 打率.337

 阪神での最後の年となった1988年は家族の病気の都合でわずか22試合の出場となったが、それ以前の5年間から1シーズンあたりの平均成績を算出すると打率.337、40本塁打、96打点という数字になる。ホームランだけでなく、打率もここまで高水準の選手は他には見当たらない。史上最強の助っ人外国人選手と言われるのも頷けるだろう。

 バースが阪神を去って既に30年以上が経つが、ファンにとってその存在は唯一無二のものとも言えるだろう。そこで今回はバース退団以降に阪神に入団した外国人野手で、最もバースに近づいたのは誰だったのか、ランキング形式で紹介したいと思う。

5位:ブラゼル(2009年~2012年)

実働:4年 443試合 433安打91本塁打278打点 打率.280

 2008年に来日して西武に入団し27本塁打と長打力を見せたが、低打率がネックとなり1年で退団している。翌年シーズン途中の5月に長打力不足に悩む阪神が獲得。82試合の出場ながら打率.291、16本塁打と結果を残して残留を勝ち取った。そして翌2010年は開幕から好調を維持し、いずれもリーグ2位となる47本塁打、117打点をマークしてベストナインにも輝いた。2011年からはこの年から導入された統一球の影響もあって大きく成績を落とし、2012年を最後に退団となった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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18年ぶりのリーグ制覇に貢献した助っ人もランクイン