「清原和博(元西武ほか)とイメージが重なる。1年目から逆方向へ本塁打が打てるという部分で、清原クラスの強打者になれる素質がある。あとは試合に出て経験を積むことで勝負強さも格段に上がる。石川が4番に定着すればすごい打線になる。やはり強いチームの4番には日本人の強打者がいる。大島康徳さん、落合博満さんなどは存在感抜群だった。石川が不動の4番にいて、その前後にダヤン・ビシエドなどがいたら強いよ」

 宇野氏は現役時代に5番を任されることが多かった。直前に大島、落合がいてくれたためやりやすかった、とも語る。石川の4番定着は新しい『恐竜打線』を作り出してくれるはずだ。

●根尾昂の内野手出場がチームのレベルを大きく引き上げる。

「1年目は1軍出場は少なかったが、壁にぶつかったとは思わない」

 18年オフのドラフト1位指名で大阪桐蔭高から入団した根尾。投手との二刀流も話題となり、大きな注目を集めたが1年目は2軍生活が続いた。

「何の心配もない。随所でみせるプレーにはセンスを感じさせる。中でも内野守備の際の柔らかさに惹かれた。外野の練習もやっているようだけど、ショートで固定できれば中日のセンターラインは安泰になる。打撃も下(=2軍)では対応できているようだから、1軍で試合に出続ければ結果を残せるはず」

 外野手の練習をしているが、あくまで内野手として高評価を与える。京田陽太というリーグ屈指の守備力を誇るショートもいるが、2人の高次元の争いがチーム力をさらに高めるはずだ。

「スキーなど他競技もできるということでフットワークが抜群に良い。また投手もやっていたので、肩の強さはチームトップクラス。外野手として育てたい気持ちもわかる。しかし中日の歴史に残る名内野手になれる素材だ。打撃を含めてまだまだ伸びしろもあり、右投げ左打ちの内野手として立浪和義のようになって欲しい」

 強豪チームに欠かせないのはセンターラインの強さ。荒木雅博、井端弘和の『アライバコンビ』の域に達するのも夢ではない。そして目指すは中日のレジェンド立浪クラスだ。

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「当時の星野仙一監督から呼ばれ…」