そうしたら奇跡的に消えていました。だけど、またいつその病気が出てくるか分かりません。油断してはならないと言われています。コロナが流行り始めた時に病院の先生からアドバイスをいただきました。「あなたが一度かかった病気を持ちながら、コロナになってしまうとかなりまずいからね」と。だから、黒沢(かずこ)がコロナになり、妻が濃厚接触者となった時にも、「もし自分がかかったら」と結構、死を意識しました。逆に慎重になったので、良かったのかもしれませんが。

 ワッキーさんが初期の中咽頭がんであることを発表しました。4月上旬、首にしこりのようなものを感じ、病院で何度か検査を繰り返した結果、初期の中咽頭がん(ステージ1)が見つかった。外科手術はせず、放射線化学療法で治療していくとのこと。

 中咽頭ってどこだろうと思って調べると、咽頭というのは、鼻の奥から食道までの食物や空気が通る場所のことで、口を大きく開いたとき、奥に見える口蓋垂(いわゆるのどちんこ)あたりから奥の部分を中咽頭というらしいです。ここにがんができたということですよね。

 どれだけ医療が進歩したと言われても、もし自分が「がん」と診断されたら、例えそれがステージ1だとしても「死」が頭の中に過るはずです。ワッキーさんもおそらくそうだったはずです。

 妻の友達で10年前に乳がんになり、治療し、治って、今も元気に家族みんなで暮らしている人がいます。その人の姿を見ると「がんは治る病気なんだ!」と強く思います。

 40代後半、そして50代になってくると、死につながる病気にかかる人が増えてくる。そういう年代なんだと思います。それは仕方ない。

だからこそ、ワッキーさんが、がんに勝って戻ってきて、みんなに希望をくれるはずです。世界で一番おもしろい顔をできる男、ワッキーさん!ファイトです!!!!!!!!!!

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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