東横綱(1位):佐々木朗希(大船渡→2019年ロッテ1位)

“令和の怪物”の異名をとる大型本格派右腕。3年春に行われた高校日本代表候補合宿で163キロをマークし、それ以降は異例とも言えるフィーバーとなった。決して速さだけでなく、フォームの良さや変化球のレベルも一級品。奥川や石川昂弥(東邦)が最終学年で台頭してきたのも、佐々木の存在に引っ張られた部分が多分にあっただろう。

 名前が挙がらなかった中では東浜巨(亜細亜大→2012年ソフトバンク1位)、大瀬良大地(九州共立大→2013年広島1位)、安楽智大(済美→2014年楽天1位)なども高い注目を集めた。また、悩んだのが菅野智之(東海大→2012年巨人1位)と大谷翔平(花巻東→2012年日本ハム1位)をどう扱うかだ。ともに目玉の一人であったことは間違いないが、菅野は一年の浪人で前年よりも評価が下がっており、大谷も3年夏のAAA世界野球選手権では投手として精彩を欠いてメジャー志望でなければどの程度の球団が指名したかが読みづらいこともあって今回の番付からは外した。

 東西の横綱はいずれも昨年のドラフトで指名された投手となったが、佐々木、奥川ともに歴代の高校生投手の中では図抜けた存在であることは間違いない。プロの世界でどこまで成長してくれるかが本当に楽しみである。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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