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「あつ森」ブレークで変わるゲーム観 勝ち負けよりも大切な「要素」とは

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飯塚大和dot.
あつ森のゲーム内で開かれた「卒業式」の様子(gettyimages)

あつ森のゲーム内で開かれた「卒業式」の様子(gettyimages)

「あつまれ どうぶつの森」(以下、あつ森)が、記録的な売れ行きをみせている。ゲーム情報誌「ファミ通」によると、3月20日に発売されたあつ森の国内累計販売本数はすでに400万本を超え、「Nintendo Switch」(以下、スイッチ)史上最多の売り上げを達成。また、海外を含めた販売本数では、発売日から年度末までのたった12日間で1177万本を記録するなど、世界規模で驚異の売り上げペースを刻んでいる。あつ森はなぜこれほどのブームになり得たのか。そこには、あつ森だけが持つ「ユニークな要素」があった。

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「あつ森は明確な勝ち負けが存在しない数少ないゲームなんです。特に海外ではこうしたゲームはほとんどありません」

 ゲームジャーナリストの小野憲史氏はあつ森の「特異性」をこう語る。

 賞金をかけて勝敗を競う「eスポーツ」が顕著なように、昨今のゲーム市場では高い技術や勝敗を競うことに重きが置かれている。米調査会社の「Newzoo」によると、2017年のeスポーツの世界市場規模は700億円だったが、2021年にはその2.5倍の1765億円にまで成長すると見込まれている。

 だが、この「技術・勝敗重視」の流れと真逆の路線を取るのが、あつ森だ。あつ森では、ゲーム内でプレーヤーが「島」の住人と会話をすることで親密になったり、家具集めをして部屋の模様替えを楽しめたりと「勝ち負けのない世界」が広がっている。

「eスポーツが支持されてきた欧米では、勝ち負けを競うゲームが盛んに作られてきました。しかしコロナ禍の状況では、人々は心の癒やしを求め、あつ森のような直接勝ち負けを競わないコミュニケーションツールに志向がシフトしているようです」(同前)

 その言葉通り、eスポーツ発祥の地とされるアメリカで3月に最も売れたゲームは、あつ森だった(米NPDグループの調査より)。

 ゲームジャーナリストのジニ氏は、あつ森特有のコミュニケーション方法に着目する。

「勝つためにプレーヤー同士で戦略を立てたり、情報交換をするなどのコミュニケーションがなされてきたゲームが多いなか、『ささいな生活』を共有するために交流を図っていくあつ森は、そもそも出発点が違うのです」


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