さらにその翌年の2001年、地元開催のW杯を前に親善試合やコンフェデレーションズカップで欧州、南米の強豪国との対戦を重ねた日本代表は、その締め括りとして11月に埼玉でイタリア代表と対戦。そして、その前半10分だった。相手陣内でカンナバーロから強引にボールを奪取した稲本潤一が素早くクロスボールを放り込むと、走り込んだFW柳沢敦が右足アウトサイドで華麗かつ豪快に合わせる先制弾。

 名手ブッフォンも為す術なしの“神ボレー”に、会場にいた6万人の日本サポーターだけでなく、テレビの前のすべてのファンが立ち上がり、拳を突き上げた。このゴールは柳沢だけでなく、日本代表の歴代ベストゴールに推す声も多い。

 その後、日本代表は自国開催の2002年に続き、2010年、2018年と計3度、W杯ベスト16に進出。日本サッカーの実力は、世界に認められることになった。しかし、まだまだ世界のトップレベルとは差があり、日本代表の右肩上がりの躍進も頭打ちの感がある。そんな今こそ、かつてのゴールを思い出し、初心に戻ることが必要なのかもしれない。