これを見ると、最もホームの恩恵を受けているのは中日ということになる。次いでヤクルト、広島がリーグ平均を上回り、ホームとロードの差が最も小さいのは阪神という結果となった。応援団の迫力で言うと、阪神は12球団で1、2を争うレベルであり、甲子園は毎試合多くの阪神ファンが詰めかけているが、この数字を見るとそのことがホームゲームでのアドバンテージにはあまり繋がっていないと言える。

 負けた時やミスをした時の野次も痛烈なことで知られているが、そのことが選手に対して過剰なプレッシャーとなっていることも考えられるだろう。ホームでのアドバンテージが小さく、ロードでも高い勝率をあげていることを考えると、無観客期間が一番プラスに働くのは阪神かもしれない。

 次にパ・リーグについてもホームとロードの勝率とその勝率差について並べてみたところ以下のような結果となった。

■パ・リーグ ホーム勝率&ロード勝率
ソフトバンク:ホーム勝率.626 ロード勝率.590
西武:ホーム勝率.584 ロード勝率.500
日本ハム:ホーム勝率.564 ロード勝率.476
ロッテ:ホーム勝率.480 ロード勝率.451
オリックス:ホーム勝率.471 ロード勝率.410
楽天:ホーム勝率.461 ロード勝率.469
リーグ平均:ホーム勝率.531 ロード勝率.483

■パ・リーグ ホームとロードの勝率差(ホーム勝率-ロード勝率)
日本ハム:+.088
西武:+.084
オリックス:+.061
ソフトバンク:+.036
ロッテ:+.029
楽天:-.008
リーグ平均:+.048

 セ・リーグに比べるとホームで圧倒的に強いという球団はなく、ロッテ、オリックス、楽天の3球団はホームで負け越しているという結果となった。ソフトバンクは12球団でも広島に次ぐホーム勝率を誇るが、ロードでも6割近い勝率を誇っており、ホームだから強いということではなさそうだ。最もホームとロードの勝率差が大きかったのが日本ハムで、それに西武が僅差で続いている。しかしこの2球団に関しても、ロードの勝率は決して低くなく、大きな影響はなさそうだ。

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