「女人禁制」のトンネル工事に密着 女性写真家が写し出した「現場の美学」 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「女人禁制」のトンネル工事に密着 女性写真家が写し出した「現場の美学」

このエントリーをはてなブックマークに追加
山崎エリナdot.
山崎エリナ(やまさき・えりな)/写真家。神戸市出身。1995年渡仏、パリを拠点に世界中を撮影。帰国後、国内外で写真展を多数開催。写真集に『アイスランドブルー』『サウダージ』『ただいま おかえり』『アンブラッセ』『三峯神社』『インフラメンテナンス』など http://www.yamasakielina.com

山崎エリナ(やまさき・えりな)/写真家。神戸市出身。1995年渡仏、パリを拠点に世界中を撮影。帰国後、国内外で写真展を多数開催。写真集に『アイスランドブルー』『サウダージ』『ただいま おかえり』『アンブラッセ』『三峯神社』『インフラメンテナンス』など http://www.yamasakielina.com

 6月22日に発売される写真集『トンネル誕生』は、その「続編」ともいえる作品です。

 きっかけは『インフラメンテナンス』の撮影でお世話になった建設会社の社長から「今度トンネルを造ることになったから出来上がるまでを撮っていいよ」という一言でした。私は「撮りたいです」と即答! 2018年1月、雪の降る福島で撮影が始まりました。

 今作品では福島県の川俣町のトンネルができるまでの準備、掘削、コンクリート打設の工程を1年半以上にわたって追いかけました。『インフラメンテナンス』と同様に、現場の技術者たちが貫通に向け立ち向かっていく姿、たくましさを表現したいと思うと同時に、一般には見ることのできないトンネルができる前の記録と記憶に残る何かを見つけたいという思いでシャッターを切りました。

 ただ、1つだけ問題がありました。業界には「女性はトンネル工事に入ってはいけない」という慣習があるらしく、それが気がかりでした。撮影のためとはいえ、女性の私がトンネル工事現場の中へ入っていいのか、現場の方々は受け入れてくださるだろうかと不安がありました。

 ある日、トンネルの進入口が整ったところで執り行われる安全祈願に立ち会いました。私は「山の神様、トンネル工事に入らせていただくことをお許しください」と祈ったのですが、その時に降っていた雨がやみ、太陽の光がトンネルの坑口に取り付けている化粧木に差し込んだのです。まるで山の神様に撮影をお許しいただいたようでした。

 この神秘的な体験が奏功したのかはわかりませんが、現場監督さんや技術者の方は、撮影に入る私を温かく迎え入れてくれました。

 トンネル工事は掘削、コンクリート打設などそれぞれの分野のエキスパートが技術を駆使して進められます。それぞれ危険が伴うので至近距離での撮影はできませんでしたが、掘削に挑む後ろ姿はとてもかっこいい。また、大きなドリルジャンボがトンネルの空間に入り込んで来たときはアドベンチャー映画の世界のようです。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい