「ウイルスにより血管に炎症を起こし、動脈硬化のプラーク(こぶ)が破裂すると、血栓が詰まる心筋梗塞を発症したり、心臓に炎症が起こり、心膜炎、心不全になることもあります。重篤になり、亡くなる人のなかにはそういうケースもあります」(同)

 日本循環器学会のホームページ(※)には、野出医師らが作成した「新型コロナウイルスに関するQ&A」が公開されている。さらに、野出医師が注意喚起するのは、高齢者の心不全だ。

「高齢者は気がつかないうちに心臓が硬くなることで心臓が広がりにくくなる拡張不全になっている人がいます。この“隠れ心不全”は、コロナウイルス感染で顕在化します」(同)

 日常の生活習慣も要注意だ。

 なお、心疾患の手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。同ムックの手術数ランキングの一部を特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

<取材した医師>
佐賀大学医学部 内科主任教授 野出孝一医師

※ https://www.j-circ.or.jp/

(ライター・伊波達也)

週刊朝日  2020年6月5日号