巨人の期待の若手・山下航汰 (c)朝日新聞社
巨人の期待の若手・山下航汰 (c)朝日新聞社

「あそこの球団は若手が伸びている、伸びていない」、そんな会話をしたことのあるプロ野球ファンは多いのではないだろうか。スタメンにベテランが多い球団などは、近い将来が不安になることもあるはずだ。では現在、若手が充実している球団はどこになるのか、昨年の成績をもとに検証してみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団だ。

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 まず今年の満年齢で24歳以下の選手が記録した数字を投手は試合、投球回、勝利、セーブ、ホールド、野手は試合、打席、安打、本塁打、打点、盗塁について集計したところ以下のような結果となった。なお外国人選手は除外している。

巨人
投手:6人 48試合 140回2/3 6勝 0セーブ 3ホールド
野手:4人 164試合 651打席 149安打 31本塁打 94打点 3盗塁

■DeNA
投手:6人 59試合 210回1/3 7勝 0セーブ 1ホールド
野手:5人 72試合 153打席 35安打 5本塁打 19打点 0盗塁

阪神
投手:3人 32試合 74回2/3 5勝 0セーブ 0ホールド
野手:2人 88試合 42打席 9安打 1本塁打 2打点 12盗塁

■広島
投手:6人 102試合 216回 5勝 1セーブ 6ホールド
野手:2人 109試合 261打席 54安打 5本塁打 23打点 1盗塁

中日
投手:7人 90試合 224回1/3 13勝 14セーブ 15ホールド
野手:5人 45試合 68打席 9安打 0本塁打 4打点 0盗塁

ヤクルト
投手:5人 118試合 204回 6勝 4セーブ 29ホールド
野手:7人 388試合 1304打席 267安打 55本塁打 163打点 7盗塁

 投手陣は中日が一歩リードしている印象。山本拓実、小笠原慎之介、清水達也、梅津晃大、勝野昌慶の5人が先発で勝ち星をマークしているのが大きい。リリーフ陣も鈴木博志と藤嶋健人が貴重な戦力となっている。外国人選手ということで除外したが、昨年8セーブ、14ホールドをマークしたライデル・マルティネスも今年で24歳である。ようやく投手陣の世代交代が進んできた印象だ。

 一方の野手はヤクルトが起用人数、成績とも他球団を圧倒している結果となった。昨年36本塁打、96打点をマークした村上宗隆以外にも太田賢吾、広岡大志、中山翔太の三人にレギュラー獲得の勢いがある。バレンティンが抜けた今シーズン、どのような布陣になるか注目したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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