リアルな会議室では、全員が自分の方を向いて並んで座ることはありません。リモート会議は、普段は見られないみんなの表情が常にバッチリ見えてしまいます。見る方も見られる方も、少なからず緊張しますよね。なので、「我が家のイヌが甘えてくるので、ちょっと今ボール投げておきますね!」くらいの“ヌキ”“ハズシ”があったほうが、むしろ頭がやわらかくなる気がします。

 ここで、リモート会議でのキラーワード2つを紹介します。一つは「ここまで大変よくわかりました」。同じ空間にいると、話し手は相手が理解しているのか、聞き手は相手が気持ちよく話しているか、細かい表情やしぐさなどで感じられますが、「画面」ではそれがなかなか伝わってきません。その「モヤモヤ」を回避するのが、このワード。合間合間におたがいの理解度を確かめ合い、さらに「わかりました!」ときちんと伝えることで、相手のトークにも弾みがつきます。

 もう一つが、「ありがとうございます」。これは、相手が長めの発言を終えた後に添えたい言葉です。このやりづらいコミュニケーションの中、懸命に伝えようとしてくれたことへの感謝と敬意をシンプルに伝えられますし、ここからは自分が引き取って話しますよ、というやわらかな宣言にもなります。話が長いな、他の参加者との発言バランスが崩れてきたな、と感じる時など、その場の流れにやんわりと句読点を打ち、場の空気をリフレッシュすることができます。

 リモート会議は不便でイライラするという人も多いようですが、得することもあるんですよ。先日、とある生放送のラジオ番組にゲストとしてリモート出演したのですが、そのとき、パソコンのすぐ上の壁に、メモ書きの「カンペ」をいくつも貼り付けておいて、ニュースアナウンサーばりの目線キープで、さりげなくもちゃっかりカンペを活用するという「裏技」を編み出しました(笑)。

 大切なのは、環境がガラリと違っているのだから戸惑うのは当たり前だと受け入れて、できることは事前に準備しておくこと。そして、本番で「いかに自分がリラックスできるか、慌てないで済むか」を目指して、色々と工夫してみてください。自分にとって一番読みやすいメモ作りや、「これを見せたら相手が喜んでくれるかな?」とネタになりそうな小道具を用意したり、相手に見えないのなら、思いきりリラックスできるウエアを着てみたり、マッサージグッズを使ってみたり、お気に入りの香りで気分を上げたり。文字通り「アウェイ」でなく「ホーム」で仕事ができる環境を自分で整えて、うまくプラスに生かせるといいですね。