匿名を良いことに好きなことを言い放つのは、何十年も変わらない風景。言葉は悪いが『便所の落書き』がSNSというツールに変わっただけのこと。やっかいなのは、それが世界中の不特定多数の大勢に見られるようになったことか。誹謗中傷を受けた側の苦痛は想像を絶するものだ。

「情報発信、ならびに交流方法を再考すべき時ではないか」と提案するのは前出の芸能ライター。

「現代は誰でも気軽に言いたいことが言える。素の自分を知ってもらうことで、ファンは増えるだろう。しかし本来、芸人は『芸』で稼ぐのが第一。アスリートも芸能人もそこは変わらない。まず自分の『芸』を磨き上げることに専念して欲しい。SNSなどを通じてファンに近づき媚を売らなくても、抜きんでた『芸』にはファンがつく」

 新型コロナウイルス禍で多くのスポーツが延期や中止となった。その間、スポーツ番組などではアスリートが自撮りなどで情報発信してきた。身近に感じられ新たな魅力が伝わるが、それも食傷気味になり飽き始めている。なぜなら彼らアスリートたちが最も輝いているのは、己のパフォーマンスを発揮している瞬間だと改めてわかったからだ。

 木村さんのようなことがあっても、変わらない人は変わらない。今後も同様に攻撃目標を探し出し、自らの欲求を満たし始める。それならば自分自身で防御策を練るしかない。悲しいかなそんな時代になってしまったのだ。

 ツイッター、YouTube、Instagram……。ツールとしては便利で楽しいが、それが主役ではない。関係者すべてが、改めて考える時期なのだろう。