――では、黒川氏は賭けマージャンの「依存症」だった可能性はあると思いますか。

田中氏 まだ依存症ではなく予備軍かもしれませんが、程度の違いに過ぎません。メンタリティーは依存症者と一緒です。依存症の特徴である「モラルが守れなくなって優先順位が逆転している」「不安とかネガティブなことに対して、ギャンブルに集中することで忘れようとしている」「大事な勝負時に行動が制御困難になってしまっている」といった点で、該当基準を満たしています。

 心配なのは、検事長を引退した後です。検察幹部の立場でチヤホヤされてきたのに世間から見放され、心にぽっかり穴が空いてしまう。本格的なギャンブル依存症者になってしまわないか、心配です。

 高い地位についている人ほど、定年退職した後に依存症者になってしまう人は多い。黒川さんがギャンブル依存に陥らないためにも、退職金は支払わない方がいいのではないか、とさえ思ってしまいます。
(構成=AERA.dot編集部・飯塚大和)