検察庁法改正も審議見直しになったじゃないですか。また、ネット上で「俺たちが騒いだからだー」って、“ネットが炎上すると世の中が動く!”と勘違いされる方もいるかもしれませんが、騒げばこうなるんだではなくて、今、大切なのは、「国の大事なことだから賛成、反対も含めて、一旦冷静になって話し合いましょう」ということ。テレビが「ネットでは」と報じると、大事なところに落ち着かないような気がしてならない。テレビが報じる「ネットでは」と本来の世論とを切り離して、落ち着いて話し合いをしていかないと。不確定な声に流されて終わりますよね。

 今、一旦、テレビのいろいろな仕事が止まっていて、タレントの配信モノがたくさん出てきました。この配信というのは、タレント独特のサービス精神からきているものですよね。たとえば、タレント同士が飲み会しているものをわざわざ配信する必要はないわけで、一般のサラリーマンの人が、友達同士でZOOM飲み会をしているのを生配信する必要性はないですよね?

 でも、タレントだから、前へ出たいという気持ちは普通の人たちよりも強い。そのうえ持前の独特のサービス精神がある。どんなにきれいな女優さんでも、俺みたいなオジサンでも、芸能界にいるといことは、それを持ち合わせているので、コロナで自粛期間中というのは、あの手この手で配信をやっていたと思うんです。

 けれど、そこでふと思ったのは、この配信が大爆発するとか、これがテレビ番組になっていくとか、これが毎週見たいなというものになっていくとか、それはちょっと違うと思っていて、自粛期間中に“この人はこんな配信をやっていました”と報じられるのが上限で、それ以上はないと思う。

 こんなことやっていましたと報じられるに止まらず、もっともっと大きくするにはどうするか? やはり企画力とか発想力が必要になってくると思うんですね。企画力と発想力のある配信は“面白いことやっているね”ってなると、それがテレビ番組になるかもしれない。

 でも、テレビ番組と違って、配信とは、そもそもが、そんなに広げないというか、広げる必要もないし、極端に言えば見ている人が5人だけだっていいという世界。今の配信をもっと広げようとたくらみがある人がいるのであれば、配信の筋違いだと思うんですよね。

 筋違いというのは、これを機会に、話題になって売れようとか、これバズらせようと思っている人がいるのかもしれないけど、見ている側からすると、そもそも配信ってそういうものじゃないよ、ということ。

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リモートの今こそテレビは敢えての挑戦を!