Q インプラントも歯周病になるの?

A インプラント周囲炎になる可能性がある

 インプラント治療後に注意しなければならないトラブルの代表が、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と同じようにインプラント周囲の歯肉が歯周病菌によって炎症を起こし、インプラントが埋入されている歯槽骨が破壊される状態をいいます。

 インプラントを入れることになった理由の多くは、歯周病により歯を失ったことです。このため残っている歯も歯周病である場合が多く、インプラント周囲炎を起こしやすい原因となるのです。

Q 骨粗鬆症治療薬を飲んでいて歯周病の治療はできるの?

A 外科手術以外の治療は問題ない

 骨粗鬆症治療薬の一つである「ビスフォスフォネート製剤」を服用している患者さんに抜歯などの外科治療をおこなうと、使用期間にもよりますが、頻度は少ないものの顎の骨の壊死が起こることがあります。このため歯周病で抜歯や歯周外科治療をおこなう場合は、服用の中止など、原則として内科担当医らとの相談が必要です。

 その代わりに外科処置ではないプラークコントロールやスケーリングを徹底しておこないます。外科治療がどうしても必要な場合は、医師とも連携しながら、適切な方法を考えることになります。

※『続・日本人はこうして歯を失っていく』より

≪著者紹介≫
日本歯周病学会/1958年設立の学術団体。会員総数は11,739名(2020年3月)。会員は大学の歯周病学関連の臨床・基礎講座および開業医、歯科衛生士が主である。厚労省の承認した専門医・認定医、認定歯科衛生士制度を設け、2004年度からはNPO法人として、より公益性の高い活動をめざしている。

日本臨床歯周病学会/1983年に「臨床歯周病談話会」としての発足。現在は、著名な歯周治療の臨床医をはじめ、大半の会員が臨床歯科医師、歯科衛生士からなるユニークな存在の学会。4,772名(2020年3月)の会員を擁し、学術研修会の開催や学会誌の発行、市民フォーラムの開催などの活動をおこない、アジアの臨床歯周病学をリードする。