コロナで突然の解雇「不安で吐きそう」という52歳男性に、鴻上尚史が吐露した苦しい胸の内と「絆と感謝と敬意」では乗り越えられない現状の悲惨さ (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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コロナで突然の解雇「不安で吐きそう」という52歳男性に、鴻上尚史が吐露した苦しい胸の内と「絆と感謝と敬意」では乗り越えられない現状の悲惨さ

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 コロナ禍、「15年間勤務した飲食店から解雇を告げられた」と吐露した52歳の男性。「まだ妻に言えていない」と苦しむ相談者に鴻上尚史が伝えた「絆と感謝と敬意の精神論だけでは乗り越えられないもの」とは。

【相談67】今日、解雇を言い渡されました。まだ妻にも言えず、不安で吐きそうです(52歳 男性 ルーぺ)

 今日、15年働いてきた飲食店から、解雇を言い渡されました。もちろんその理由は、新型コロナウイルス感染拡大による客の激減です。2月くらいは、1、2カ月ですぐにおさまるだろうと期待していましたが、3月くらいから客が激減、緊急事態宣言で、夜の予約はほぼキャンセルとなりました。こうなるだろうと予想していましたが、実際に言い渡されたときは目の前が真っ白になりました。

 店主は申し訳なさそうに、「このままじゃ家賃が払えない。店はたたむかもしれない」と言っていましたが、もう少し頑張れなかったのかと怒りが湧き上がりました。私にはまだ中学生の子どもがいて、家のローンも残っています。妻も働いていますが、アルバイトですので、私が再就職できなければ、すぐに我が家はたちゆかなくなります。

 まだ、妻に言えていません。いま、がっかりした不安な顔を見る勇気がないのです。知り合いが配送業をしているので、頼ろうかと考えながら、50歳を過ぎて転職を考えなければならない事態に情けなくなり、押しつぶされそうです。サービスの仕事が好きでしたし、贔屓にしてくれている客もいて、プライドもありました。でも、これまで全部を否定された気分です。

 国は10万円しかくれないみたいだし、ここでこんなに辛い人生に転落するとは思いもせず、冷静になれません。政治家だけでなく、芸能人とか有名な人たちが「希望を信じよう」とか「僕たちはできる」とか「批判より自分のできることを」とかポエムを呟いているのを見ると、大げさでなく吐き気がします。

 だから鴻上さん、僕はどう妻に伝えればいいのか、どうしたら動悸を静めて冷静になれるのか、今後をどう乗り切ればいいのか、どうかポエムではなく、具体的でリアルなアドバイスをください。


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