さらに楽天監督に就任した15年、今度は自然現象がもたらした珍ハプニングの主人公となる。

 4月3日は、急速に発達した前線を伴う低気圧の影響で、全国各地で強風が吹き荒れる大荒れの天気。QVCマリンスタジアムで予定されていたロッテ戦も中止になった。

 その頃、大久保監督は、開幕から1勝4敗、3連敗中という悪い流れを何とか変えようと、必勝を期して宿舎を出ようとしていた。

 ところが、移動のバスに乗ろうとしたところ、折からの強風にあおられ、95キロ(当時)の体重をもってしても、踏ん張ることができず、あれよあれよという間にズドーンとバスに激突……。

 その後、中止を知らされると、身をもって強風の凄まじさを体感したとあって、「これは(試合するのは)無理だね。違うスポーツになっちゃう」と納得していた。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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