傷はわずか7ミリ!進化したヘルニアの内視鏡手術のポイントとは

ヘルス

2020/05/18 07:00

 もう一つの特徴は、生理食塩水を使いながら手術を実施するという点。カニューラから生理食塩水が送り込まれ、水圧をかける。これで神経や血管が外に押されるため、傷つくリスクが減る。術野が広がり、出血による患部の見えにくさも抑えられるため、操作がしやすいという。感染予防にもつながるそうだ。

 同院で実施するPEDは局所麻酔で、手術時間は30~60分。手術後、数時間で歩けるようになるが、安全を見て1泊入院する。

「退院した翌日から今までどおり生活ができ、仕事に復帰することも可能です。ただ、再発を予防するため、数日間は重いもの(500ミリリットルのペットボトル2本分が目安)を持つことや、入浴は避けてもらいます。シャワーはOKです」(出沢医師)

 他方、PEDが始まる前からおこなわれていたのが、MEDという内視鏡手術だ。背中を約20ミリ切開し、そこに内視鏡や鉗子、電気メスなどを入れて操作する。椎弓の一部を削ったり、靱帯を切除したりすることから、PEDよりはからだへの負担は大きい。先の調査をみると、PEDの普及でMEDの手術数は微増だ。

 だが、「PEDが最新手術だとすると、MEDはオールマイティー。高齢者に特徴的なヘルニアに対しては、MEDが有用なことが多いのです」と説明するのは、国内でも有数の手術件数を持つ岩井整形外科内科病院の高野裕一医師だ。

 実は、高齢社会を反映して、最近は高齢のヘルニア患者が増えている。高齢者のヘルニアは若い人のヘルニアと違い、髄核や線維輪が変性して硬くなっていることが多いという。

「その場合、ヘルニコアによる椎間板内酵素注入療法が効きにくく、またPEDは手技が難しいため、手術時間が長くなってしまう。高齢者のからだへの負担を考えると、手術が長時間になるのは避けたく、そういう意味ではMEDのほうがよい適応と考えられます」(高野医師)

 ほかにも、高齢者の場合、腰部脊柱管狭窄症やすべり症などをヘルニアに合併している例も多く、両方の病気を一度に治療するケースも出てきている。狭窄症やすべり症の内視鏡手術は、MEDと同じ手法を用いるため、こういう例もMEDのほうがよいそうだ。

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手術をした方がいい症状とは……

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