巨大な肉体が印象に残るアンドレ・ザ・ジャイアント (c)朝日新聞社
巨大な肉体が印象に残るアンドレ・ザ・ジャイアント (c)朝日新聞社

 日本人の体型もかなり変化した。筋肉を身にまとった『マッチョ』な身体のアスリートも少なくない。効果的なトレーニング方法や栄養補給などで、筋力など成長させられる部分は多い。

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 しかし第一印象で感じるデカさ、スゴさのようなものは、やはり外国人特有のものもある。いわゆるDNAも関わっており、根本的な部分では欧米やアフリカなどの人々とは根幹が異なる。それらを顕著に感じるのは、プロレスだろう。

 有無を言わさない身体の圧力があったのはアンドレ・ザ・ジャイアント。223cm 236kgの巨体は『世界8番目の不思議』『人間山脈』などと命名され、新日本、全日本、米WWF(現WWE)など、世界中で支持された。米ではハルク・ホーガン、日本ではアントニオ猪木やスタン・ハンセンなどと名勝負を繰り広げた。豪快なエピソードも多く、まさに大物外国人。米国ではMLBやNBA選手と並んで、いまだにフィギュアが販売されており、歴代大統領などと同様な著名人カテゴリーで販売されているのにも驚く。46歳での他界は、巨体からくる身体への負担もあったのでは、と言われている。

 プロレスというジャンルを超えて名を馳せたのがハルク・ホーガン。身長201m、『超人ハルク』の名に恥じない彫刻のような肉体を武器に日米で活躍。新日本のIWGP決勝リーグ戦(83年)で優勝したのは有名。決勝でアントニオ猪木を失神させた、ロープ越しのアックスボンバーは、永遠に語り継がれるだろう。パフォーマンスにも長けており、米国WWFでは『ハルカマニア』と呼ばれる熱狂的ファンを生み出した。映画『ロッキー3』出演も大きな話題となった。

 タッグで強烈な印象を残したザ・ロード・ウォリアーズ(ホーク&アニマル)も忘れられない。顔にペイントを施したモヒカン&逆モヒカンの髪形。入場曲「IRON MAN」とともにリング上へ雪崩れ込み、相手チームをリング下に叩き落とす。肉体を誇示し、短時間で勝負を決めるスタイルは衝撃的だった。相手を両腕で持ち上げる「リフトアップ」。片方が抱え上げた相手選手へコーナー上から攻撃する「ダブル・インパクト」。これまでの日本マット界では見られなかった超ド級のファイトは戦慄を覚えた。米3大メジャー団体(NWA、AWA、WWF)の世界タッグ王座を獲得したことでも有名。

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巨体レスラーの先駆者といえば?