2020年末で契約が切れる15人のドライバーたちは、移籍合戦どころか、一転して生き残り合戦を繰り広げなければならなくなった。というのも、2020年のレース数が減ることでチームの収入が減少する可能性が高いからだ。すでに多くのチームが2021年の新契約の前に、2020年の現契約の見直しを行い、大幅な減俸の要求をドライバーに申し出て、ドライバーも承認せざるをえない状況となっている。

 経営が厳しい下位チームの中には、実績のあるドライバーよりも多額の持参金を持ち込むドライバーを優先するところも出てくるかもしれない。

 ドライバー市場も直撃した新型コロナウイルス感染症。2020年シーズンがいまだ開幕できない中、ドライバーたちの2021年へ向けた交渉もまたステイ・ホームを強いられたままとなっている。(文・尾張正博)