【井手口陽介】

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制で代表デビューを飾り、指揮官からの寵愛を受けて順調な成長を見せていた。ロシアW杯メンバー入りは確実視されていたものの、大会半年前に海外移籍を選択し、イングランドのリーズへ加入。就労ビザの関係ですぐさまスペイン2部へ渡ったが、W杯出場は逃すことに。翌年はドイツ2部のグロイター・フュルトへ期限付き移籍となったが、負傷もあって試合に出場することすら難しい日々を過ごした。

 リーズでは構想外となり、出場機会のないまま昨年ガンバ大阪へと完全移籍。慣れ親しんだ古巣では持ち前のアグレッシブな姿勢を前面に出し、チームの残留に貢献した。11月には約1年半ぶりに代表復帰を果たし、12月のEAFF E-1サッカー選手権にも出場している。

 中盤で活発に動き回りながら相手を潰し、攻撃時には前へ出て豪快なミドルを狙うなど、様々な場所に顔を出せる選手はどんなチームにも必要なタイプ。23歳MFが昨季後半のようなパフォーマンスを継続できるのであれば、代表チームで居場所を掴む可能性もあるだろう。

【鈴木優磨】

 2018年11月に一度招集を受けるも、ケガのために辞退し代表デビューはお預けとなっている。だが、今こそ彼がフル代表のユニフォームに袖を通すべき時なのではないだろうか。

 今季、海外挑戦を選択し、ベルギーのシント=トロイデンへ加入した鈴木。序盤こそ出場機会を得られなかったが、初先発を飾った第8節で初ゴールを奪いレギュラーの座を奪取。競争の激しいベルギーの地で18試合連続先発を飾り、計7ゴールを挙げている。

 鈴木のようにフィジカルで世界と戦える選手は日本にそこまでおらず、貴重なオプションとなることは間違いない。さらに周囲を活かすためのプレーも向上。豪快なプレーと状況を把握して最善の選択を下す頭も持ち合わせている。本人も「自分の点よりも走ることを意識してやった」と語る試合も増えており、献身性も十分。2022年W杯へ向けて、現在24歳と将来性のあるストライカーを試す価値は十二分にあるだろう。

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今こそ飛躍して欲しい日本屈指のスピードスター