大田泰示(日本ハム)も堂上と同じく、高校時代スラッガーだったが、上手くモデルチェンジを果たした。東海大相模では下級生の頃から4番に座り、3年夏の北神奈川大会では大会新記録となる5本塁打をマーク。その長打力が高く評価されて巨人ソフトバンクが1位指名し、抽選の結果巨人に入団。松井秀喜が背負っていた背番号55を与えられ、将来の4番打者として高く期待された。

 二軍では一年目から17本、二年目には21本のホームランを放ったが、厚い選手層に阻まれて二軍暮らしが続き、一軍での初本塁打はプロ入り四年目のことだった。その後も一軍と二軍を往復するシーズンが続き、巨人での8年間で放ったホームランは9本に終わっている。そんな大田の飛躍のきっかけとなったのは2016年オフの日本ハムへのトレードだった。

 長打力よりも高い運動能力が評価されて移籍一年目から外野の一角に定着。移籍三年目の昨年はキャリアハイとなる161安打、20本塁打を放ち、すっかり主力選手となっている。今でもとらえた時の飛距離は申し分ないが、打順は2番を打つことが多く、決してスラッガーというプレースタイルではなくなっている。環境の変化に上手く対応した成功例と言える。

 ここまでの二人とは逆のパターンに当てはまるのが外崎修汰(西武)だ。富士大時代はクリーンアップを打つこともあったが、リーグ戦での通算本塁打はわずかに4本で、完全にチャンスメーカータイプの選手だった。プロでもその脚力を生かして一軍に定着したが、レギュラーに定着した2017年からは10本、18本、26本と順調にホームランの本数を増やし、昨年は90打点もマークしている。

 浅村栄斗(楽天)が抜けても連覇を達成できたのは、外崎の成長が大きかったことは間違いないだろう。どこでも守れる器用さやスピードは現在も高レベルであり、完全なモデルチェンジというわけではないが、強打が持ち味のチームスタイルに上手く適合できた結果と言えるだろう。

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投手で当てはまるのは?