〇ちょっとやそっとじゃ動じない。

…動じてる。全然動じてる。むしろ動じるようになってる。

〇簡単にテンパらない。

…テンパっている。全然テンパっている。現に今、「あれ?これ、全部『変われてない』だったらどうしよう。全滅だったらどうしよう。企画倒れ?これ、企画倒れ?」とものすごくテンパっている。

〇地図を読めるようにする。

…これはアレだね。最近、息子に東西南北を教えたよ。上が北だよって。それで何とか手を打ってくれないだろうか。

〇静電気を怖がらない。

…あの~、ここまで書いちゃったから、もはや引くに引けないんだけどさ、怖いものは怖いんだよ馬鹿野郎。

〇放屁しない。してもいいけど静かにする。

…ごめん何言ってるのこの人。

 限界。申し訳ないが早くも限界。今日ほどノープランで書き進めることの恐怖を思い知ったことはない。他にも「服を自分で選ぶ」「NG出した時、奇声を発しない」「なんでもかんでも妻に頼らない」「酔って色んな人に電話しない」などの誓いが当時のコラムには記されていたが、いい歳して何を誓ってるんだって話だし、もっと言えば、1年やそこらで人はなかなか変われないものですね母さん。

 さあ、母親が登場したところで宣伝だぜ。このコラムが配信される5/10(日)、日本映画専門チャンネルで「佐藤二朗特集」として、映画「50回目のファーストキス」、そして僕の初監督作品である映画「memo」が放送されます。再放送もあるようなので見逃した方は公式サイト等をご参照頂ければ。実はこの番組、近日公開予定の僕の監督2作目、映画「はるヲうるひと」の試写を観た日本映画専門チャンネルのプロデューサーが、「心の奥を抉られた。是非応援させて欲しい」と実現させた企画。「はるヲうるひと」が無事に公開されることを祈りつつ、僕も番組を拝見しようと思っています。

 ふふ。最後にちゃっかり宣伝を挿入するあたり、俺、もしかしたら、51歳なのかもな。いや、もしかしたらではなく紛れもなく51歳な訳だが、とにかくアレだな、なんとかしなきゃいかんな、人前で放屁するのだけは。

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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