人との接触を8割減らすため巣ごもりが続く毎日。暗く不安になるニュースがテレビやインターネット上には溢れ、気持ちも塞がりがちになりますが、こんなときだからこそ何かポジティブに取り組めることが必要です。外に出られない今、家に居ながらにしてできるプラス思考の試みを、31万部を突破した『節約・貯蓄・投資の前に今さら聞けないお金の超基本』の監修者・泉美智子さんに紹介してもらいました。

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■不要品は「かくれ資産」1世帯70万円も!?

 気になるけど手を付けられなかった部屋の不要品。処分するだけでもすっきりとしますが、ただ捨てるだけでいいのでしょうか。

 家の中の不要品を家庭の「かくれ資産」とみなして行った調査「みんなのかくれ資産調査委員会」(株式会社ニッセイ基礎研究所)によると、かくれ資産の額は1世帯あたり約70万円、大人ひとりあたりの平均は28万1225円と推計され、金融、不動産に次ぐ第3の資産と結論付けられています。ちょっと驚きですよね。

 かくれ資産の活用は、主にバーチャルのフリーマーケットでの個人間売買で行われています。メルカリやラクマなどのフリマアプリは、ネット上で住所も名前も明かさず安全に中古品(未使用品でも可)を売買できると利用者から高い人気を集めています。

 かくれ資産の有効活用は、リアルなひと付き合いを8割減らしながらバーチャルでヒトと繋がり、リデュース、リユース、リサイクルの循環型社会に貢献しつつプチ収入を得られます。

■“得意”を活かしてプチ収入

 Creema(クリーマ)、minne(ミンネ)などのバーチャルのハンドメイドマーケットも活況を呈しています。マスクがなかなか手に入らず困っている人がたくさんいます。裁縫が得意ならマスクを作ってインターネットで販売できたら、社会貢献も果たせてプチ収入も実現します。

 翻訳、ライティング、デザイン、Webコンテンツ作成などが得意なら、これらの業務を家に居ながらにして提供し、プチ収入を手にできるかもしれません。クラウドワークスやランサーズなどの大手クラウドソーシング会社が提供するアプリを利用して、手軽に業務と報酬のやり取りができます。不要品同様に得意なスキルも「かくれ資産」かも知れません。

 なお、これらは副業にあたり、勤務先の許可や報酬額次第では確定申告が必要になることなどに留意が必要です。そしてメルカリやラクマのフリマアプリや、Creema、minneなどのハンドメイドマーケットへのやりとりでは、宅配業者に負荷がかからないように節度をもって利用することも心がけてください。また、例えば郵便局などへの荷物の持ち込みにより“密状態”にならないよう、まとめて発送したり、コンビニや集荷なども利用したりするとよいでしょう。

 外出もままならないこの期間に収入オプションを作り、倹約生活にも慣れることで、来るべき次の世界に備えたいものです。