大映ドラマの中で「ポニーテールは振り向かない」という作品。特にこれが好きです。主演は当時、大映テレビ作品に数々出ていた伊藤かずえさん。伊藤かずえさん演じる「ミッキー」はかなりの不良で、不良4人を骨折させて少年院に収監された。ミッキーは過去、名ジャズドラマーであった父からドラムを教わっていたのだが、グレてしまう。少年院を出て来てから、バンドを組んで、世界一のロックバンドを目指す!という話。

 不良ものでバンドもの。そのバンドのベースに坂上忍さん、ボーカルに野々村誠さん。この2人が35年後、「バイキング」のMCとイジラレコメンテーターとして一緒に出演しているなんて、当時は誰も予想してない。

 このドラマ、変なことばっかり起きるんですが、特に終盤、ギターの弦が切れて、それがミッキーの目に当たり、ミッキーは失明してしまう。ドラマーなのに失明してしまう。当時、小学生の僕はミッキーが失明した瞬間、テレビの前で叫びました。「えーーーーーーーーーーー!?」

 あの当時の大映ドラマの数々は僕の中の「種」。そんな要素を今回、「M」にはいろんな形で投げ込んでいます。

 今週はコロナの影響で、1話の副音声入り放送。来週以降は未定になってしまいますが、4話以降復活したら、その展開に「えーーーーーーー?」と「ツッコ見」していただきたい。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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