■セカンドオピニオンとるべきケース

 患者が選択を迷う例として、手術をしてもあまり視力の回復が見込めない場合、手術により別の病気が悪化する可能性がある場合が挙げられると、寺崎医師は話す。例えば、黄斑部に膜が張る「黄斑上膜」と緑内障がある人は、網膜硝子体手術により、視野が悪化することがあり、緑内障の重症度により判断が異なることが想定される。

「ほかの医師の考えも聞き、手術の利点とリスクを理解した上で、リスクがあっても手術をして視力を回復させることを選ぶか、術後に症状が悪化した場合は家族の支援が受けられるかなど、家族とも相談して決めることが大切です」(寺崎医師)

 緑内障は、眼の中の「房水」の流れが悪くなって眼圧が上がり、視神経を圧迫する病気だが、原因によって複数のタイプがあり、眼圧が上がらない(正常値である)タイプもある。眼圧が低いにもかかわらず症状が進行する場合、医師から治療の継続や選択について判断を迫られるケースがあるという。

「眼圧が低いのに症状が進むと『もう治療法がない』と言われることがあるようです。ただ、眼圧には個人差があり、日内変動もあります。眼圧が低くても症状が進む場合は、手術でさらに眼圧を下げることが必要なケースもあるため、このような場合はセカンドオピニオンを受けるべきでしょう。緑内障はいろいろなタイプに分かれており、治療方針が異なるため、自分がどのタイプかを理解しておくことも必要です」(相原医師)

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
黄斑上膜があり、加齢黄斑変性の進行が予測される場合

加齢黄斑変性に対する注射の効果を得るために必要な硝子体の切除術をおこなうかどうか、加齢黄斑変性に対する専門的検査をして決めたい。

ケース
緑内障で眼圧が低いのに症状が進む場合

眼圧が低いのに進行する場合、「治療法がない」「手術は不要」「治療を継続するか」などといわれることも。検査や診断の結果を提示し、ほかの医師の考えを聞くことが勧められる。

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病院選びは「総合力」がポイント