≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
長期持続性・慢性心房細動の治療をするかどうか

いまだにメカニズムがわかっておらず、心房細動が10年以上など長期間続いている人はとくに成功率が低いため、医師のあいだでもアブレーション治療すべきかどうか決着がついていない。

ケース
全身麻酔か局所麻酔か

局所でも行うことが可能だが、カテーテル挿入や焼灼時の痛みを抑制するために全身麻酔を使うこともあり、施設によって違う。

■ランキングの読み方と病院選び

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』に掲載している治療数ランキングでは、心房細動の症例数と、そのうちの再発の症例数、さらにそのうちの他院からの紹介による症例数を記載している。またバルーンアブレーションを実施した症例数と、そのうちのクライオバルーンによる症例数(「うち冷凍」と表記)も記載している。

 高周波アブレーションについて、桑原医師はこう話す。

「だいたい年間300例以上をおこなっている施設は治療成功率が安定していると思います。一方、紹介による症例数については、紹介状を持たずに自らの考えで他院から来る患者もいるため、病院によってはもっと多い可能性もあります」

 またバルーンアブレーションについて、村上医師は年間100例以上を安心できる目安とする。

「もっとも、常勤医師数が多ければ一人当たりの担当数も少ないですから、そこも勘案する必要があるとは思います」

 なお前述したように、バルーンアブレーションにはクライオバルーンのほかにホットバルーン、レーザーバルーンがある。

 調査ではクライオバルーンとホットバルーンの合計数を質問・掲載しているため、もしレーザーバルーンを検討している場合は、別途病院に問い合わせる必要がある。

 ランキングに掲載されている項目以外に、病院選びで注意すべき点についても聞いた。

「心臓外科のサポートがあるかどうか。仮に治療中に合併症が起きてしまったとしても、外科がしっかりしている病院であれば対応に期待ができます。そのためアブレーションのランキングだけでなく、心臓手術のランキングでもその病院がよい成績を残しているかを確認するのも、一つの手です」(村上医師)

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この十数年でアブレーションの成功率と安全性は劇的に改善