ベビーシッターのマッチングアプリでは最大手のキッズライン(画像は公式ホームページより)
ベビーシッターのマッチングアプリでは最大手のキッズライン(画像は公式ホームページより)

 コロナ禍で小学校の休校が長引くなか、親の仕事によってはベビーシッターを活用せざるを得ない家庭が増えている。そんな状況下で、男性シッターが保育中の男児にわいせつ行為をして逮捕されるという事件が発生した。容疑者はベビーシッターマッチングアプリの大手「キッズライン」を使用していたことから、利用者からは不安の声が上がっている。

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「こんな事件があったにもかかわらず、(運営会社の)サポートデスクからは何のアナウンスもありませんでした。『大事なわが子が被害に遭っていたら』と思うと、ゾッとしてしまいます。再発防止策などは一体どうなっているのでしょうか」(マッチングアプリの利用者)

 コロナ禍で長引く公立校の休校にともない、東京都をはじめ、各自治体でベビーシッターの利用が盛んになっている。

 そんななか、シッターと利用者のマッチングアプリを運営する「キッズライン」を舞台に、背筋の凍る事件が起こっていたことが明らかになった。

 4月24日、キッズラインに登録していた元ベビーシッターの男が保育していた5歳の男の子のズボンを脱がせて下半身を触ったとして、警視庁捜査一課に強制わいせつ容疑で逮捕されたと報道された。

「保育士の国家資格を持っている橋本晃典容疑者(28)がキッズラインに登録したのは、昨年7月のこと。事件が起こったのは、昨年11月14日の昼でした。普段、被害男児は保育園に預けていましたが、前日に発熱があり、両親は初めてキッズラインのアプリを利用。当日、男児宅のマンションに派遣されてきたのが橋本容疑者だったといいます」(社会部記者)

 当日の午前11時ごろ、父親は男児を橋本容疑者に引き渡し、出社。夕方に帰宅した際、男児から「パンツを脱がされて触られた」と身の毛がよだつ犯行を知らされたという。すぐに両親は警視庁中央署に相談し、捜査が進められていた。

「実は、橋本容疑者には複数の逮捕歴があり、今年の1月8日には別件の強制性交等の疑いで神奈川県警に逮捕されています。続いて2月25日には別件の強制性交等の疑いで同県警が逮捕。いずれも起訴されていますが、橋本容疑者は黙秘しています」(同前) 

 現在、東京都内で同様のマッチングアプリを運営する業者はキッズラインを含め、数社ある。なかでもキッズラインは登録シッター3千人以上、通算依頼数は100万件を誇る最大手だ。

 実はこの事件と思われる「トラブル」が、昨年11月中旬に一部SNSで騒ぎとなっていた。それを受け、同社はホームページの「お知らせ」の中で以下の文面を掲載していた。

<11/14(木)一部SNSにて、キッズライン利用者とシッターの間でトラブルがあった旨の情報があり、発覚時から情報収集に努めておりますが、現時点では、該当すると思われる事案の事実確認はできておりません>

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「さらなる被害者がいる可能性もある」