40代になっても衰えぬ打棒を披露した門田博光 (c)朝日新聞社
40代になっても衰えぬ打棒を披露した門田博光 (c)朝日新聞社

 かつてプロ野球界を席巻した松坂世代もすっかり現役選手は少なくなり、今シーズンもNPBでプレーするのは松坂大輔(西武)、藤川球児(阪神)、和田毅(ソフトバンク)、久保裕也(楽天)、渡辺直人(楽天)の5人となった。今年で40歳という年齢を考えると無理もないことだが、藤川はクローザーとして期待されており、松坂と和田はローテーション争いに加わっている(和田は2月生まれのため39歳)。

 近年トレーニングの発達もあって、40歳を過ぎてからレギュラークラスとして十分な成績を残した選手も少なくない。そこで今回はそんな“中年の星”と呼ぶべき、オーバー40となる年齢で活躍を見せた選手でベストナインを選んでみた。なお、過去に守ったことがあるポジションではなく、40歳を過ぎてからそのポジションの守備についていることを条件とした。今回はパ・リーグ編だ。

投手:村田兆治(ロッテ) 22試合7勝9敗 防御率2.50(40歳)
捕手:野村克也(南海) 129試合126安打28本塁打92打点 打率.266(40歳)
一塁:山崎武司(楽天) 142試合132安打39本塁打107打点 打率.246(41歳)
二塁:フランコ(ロッテ) 131試合141安打18本塁打77打点 打率.290(40歳)
三塁:ロイ(西鉄) 135試合118安打26本塁打80打点 打率.242(40歳)
遊撃:松井稼頭央(楽天) 44試合16安打2本塁打10打点 打率.211(42歳)
外野:戸倉勝城(阪急) 139試合154安打6本塁打64打点 打率.321(41歳)
外野:アルトマン(ロッテ) 120試合112安打27本塁打80打点 打率.307(40歳)
外野:ローズ(オリックス) 142試合138安打40本塁打118打点 打率.277(40歳)
DH:門田博光(南海) 130試合139安打44本塁打125打点 打率.311(40歳)
※年齢はそのシーズンの年の満年齢。所属は右の成績達成時の所属球団

 投手は『昭和生まれの明治男』と呼ばれた村田を選出した。34歳となるシーズンに当時ではまだまだ一般的ではなかったトミー・ジョン手術を受け、本格的に復帰した36歳となるシーズンで17勝をマークする鮮やかな復活を果たした。そして40歳となるシーズンで最優秀防御率のタイトルも獲得。翌年引退したが、その年も10勝8敗2セーブという成績を残した。現役引退後もトレーニングを欠かさず、度々140キロを超えるスピードをマークして周囲を驚かせた。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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40歳を過ぎてから成績を伸ばす選手も