42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、子どもとの食事の難しさと、夫の粘り強い教育について。
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毎日3食きちんと食べる日々。
こんなに毎日家で3食きちんと作って食べたことあったろうか。
大人だけならインスタントラーメンにちょっと野菜を足して済ませちゃうところだが、ちびと一緒に食べるとなるとそうもいかない。
ちびの分だけちゃんと作って、大人はラーメン、というわけにもいかない。
我々が食べるものが気になって、
「それなあに? たべる! ほちい!」
と、なってしまうからだ。
なるべくバランス良く、野菜も食べてもらえるように工夫して、献立を考える。
最近「緑色のものは美味しくない」と認識してしまったようで、味噌汁に細かーーく刻んで入れたネギすらも、指で一個ずつつまんで出されてしまう。
日々試行錯誤しながら、食いつきのよいものを見つけてはリピートしている。
しかし、野菜以外はしっかり食べてくれるのでありがたい。
米や麺類などの炭水化物。豆腐、納豆、白身魚、鮭などのタンパク質。その他、きのこ、貝類、ほうれん草の胡麻和えはよくたべる。
卵にチーズも大好きだ。栄養価は未知数だが野菜ジュースも大好き。
その辺りの食材をローテーションしながら、そこに野菜をうまく絡めていくことに試行錯誤している。
最初の一週間は張り切って、ちょっと手の込んだものを作ったが、それに疲れて、カレーで三日間粘るという作戦を終えてからは、シンプルなものが美味しく感じる。
切って塩振っただけのトマトとか、レタスをオイスターソースで炒めたものとか。ほうれん草のソテーとか。おにぎりに味噌汁に漬物とか。
連日作り続けていることでたどり着いた感じだ。
食べこぼしまくりながら食べるちびをせわしなく世話しながらの食事。
いただきまーしゅ! と手を合わせて、5秒後にはご飯粒まみれになっているのであるからもう達人だ。手品を見ているようだ。
味噌汁を飲む、ジュースを飲む、ご飯を口に運ぶ。
全ての動作がまだ危なっかしくてハラハラするわ可笑しいわだが、成長も感じる。