歴史上、このような混乱は何度もありました。オイルショックの際も人々は焦ってトイレットペーパーを買いあさりましたし、根拠のないうわさやデマにより恐怖と不安が広がって銀行の取り付け騒ぎが起きたこともあります。

 新型コロナウイルスに伴う問題のひとつは、情報化社会により、良くも悪くも多くの人に迅速に情報が届くことです。情報の扱い方に注意しないと、事態が悪い方向にいきます。特に拡散やシェアされやすい感情は、怒りと恐怖です。怒りの拡散は治安の悪化を招き、恐怖の拡散はパニックを引き起こします。また、不安も周りに広がりやすい感情です。

 新型コロナウイルスにより、人々は多くのストレスにさらされています。余裕がなく不安が大きくなると、正しい情報を精査できなくなります。詐欺は、人々の不安につけこむ犯罪です。判断能力を失わないように、冷静でいなければいけません。

 特に恐怖は、広がる際に増大します。多くの人が恐怖によりパニックに陥ると収拾がつかなくなります。正しい情報を受け取ることと、冷静な判断力を持ち続けることが重要です。情報を発信する側は、感情も含めて受け手への影響を考えて発信や拡散をしなければいけません。