インターネットとSNSの発展により、個人が情報を発信する時代になりました。YouTuberは個人発信の最たるもので、動画コンテンツで発信することが仕事になっています。

 情報を発信する側が気をつけてなければならないのは、自分が発信した情報による影響です。私はYouTubeで子供向けに動画を制作します。動画が子供たちにプラスの影響を与えるように、言葉やテーマには細心の注意をして制作しています。

 2年ほど前に、YouTubeでは子供向けの動画のガイドラインが変更されました。残酷な描写や暴力的な演出など、子供に悪影響をもたらす動画は「エルサゲート」と呼ばれ、排除されることが決定し、その際に健全な動画も含めて多くの動画が削除されました。

 YouTuberは、3本の動画がガイドライン違反とみなされるとチャンネルが削除されます。当時はエルサゲートの判定がAIによるもので、誤判定も多く、国内外で多くのチャンネルや動画が機械的な判定により削除されました。私のチャンネルでは、当時の基準で誤判定のリスクがある動画を400本、5億回分削除しています。

 現在は当時ほどの混乱はありませんが、子供たちは特に動画の影響を受けやすいので、キッズ向け動画のYouTubeのガイドラインは特に厳しく設定されています。コメント欄や終了画面など、キッズ向けのチャンネルは機能が制限されています。

 他のジャンルでも、健全な動画以外は排斥される傾向があり、YouTubeのガイドラインの基準は明確には公開されていません。「発信した情報が与える影響を考えること」がクリエイターに求められているのです。
              
 以上のように、YouTuberは特に、発信した情報が受け手にどんな影響を与えるのかを考える仕事です。不確かな情報や間違った情報を発信すれば炎上したり動画やアカウントが消えます。情報の扱い方に関しては、かなりの注意を払っている職業です。

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