ただし、クラウドストレージの課題は価格だ。基本的には容量に応じて毎月の利用料が必要となる。例えばDropboxは2TBで月額1500円となる。写真のファイルサイズは大きく、バックアップ用途としてはやや高価なのだ。例外として現実的なのは、Amazonプライム会員向けの無制限に使えるサービスだが、当然プライム会員をやめるときはデータをすべてダウンロードしなおす必要がある。

 すべての写真を保存するとなると難しいが、例えば最新の写真だけはクラウドに残し、ある程度古いものはNASなどでバックアップするという使いわけをするなら、料金を抑えながら、利便性を活用できるだろう。絶対残したい写真だけクラウドに保存するという手もある。クラウドであっても使い方次第なのだ。

■主なクラウドサービス

▼Amazonフォト
[容量と料金]無制限:500円/月(4900円/年)[税込]
Amazonプライム会員向けに提供されるサービスで、RAW画像も含めて画像ファイルであれば無制限の保存が可能。動画やその他のファイルは10GBまで

▼Creative Cloud ファイルストレージ
[容量と料金]20GB:980円/月(1万1760円/年)、1TB:1980円/月(2万3760円/年)[いずれも個人フォトプランの場合、税別]
アドビによる各種ソフトのサブスクリプションサービスに付帯するストレージサービス。フォトプランはLightroom、Lightroom Classic、Photoshopの使用に付属する。容量は10TBまで拡大可能

▼Dropbox         
[容量と料金]2GB:無料、2TB:1650円/月(1万5840円/年)、3TB:2640円/月(2万6400円/年)[税込]
ストレージサービスだが、写真の閲覧や自動アップロードなどの機能も搭載する

▼Googleフォト
[容量と料金]15GB:無料、100GB:250円/月(2500円/年)、2TB:1300円/月(1万3000円/年)、30TB:3万9000円/月ほか[税込]
GmailやGoogleドライブなどGoogleサービス全般のストレージ容量で、画像向けのGoogleフォトの容量も含まれる。縦横2048ピクセル以下の画像は無料で無制限のアップロードが可能

▼OneDrive
[容量と料金]5GB:無料、100GB:224円/月、1TB:1284円/月[税込み]
通常のストレージサービスだが、写真用のアップロードや閲覧機能も備える。1TBはMicrosoft 365 Personal oの付帯で、Officeと合わせて利用できる

(解説:小山安博)

「アサヒカメラ」2019年9月号「基礎から始める撮った後のこと」より抜粋
※クラウドサービスの価格は2020年4月現在