――緊急事態宣言が発令されてから赤坂駅周辺も、ずいぶん寂しくなりましたね。

 本当に人が来なくなりました。仕方がないと思います。私の店も発令された後から2週間は休業しました。その後はお店を空けて、いまは宅配を中心に営業をしています。4月には中目黒と渋谷で2号店などを出店予定でしたが、コロナの影響でそれどころではなくなりました。2月は300万円以上の売り上げがありましたが、4月は10万円にも満たない。新店オープンどころか数カ月後には店を閉めなければならない状況です。

――厨房には外国人労働者の姿も見えます。

 彼はネパール人でとても優秀な従業員です。彼にはコロナや補償についてきちんと説明をしましたが、不当な扱いを受けて困っている外国人労働者は日本にたくさんいます。留学生たちも困っています。彼らの中には、正しい情報を受け取れさえすれば助かる人がたくさんいるんです。

――最後に日本人へのメッセージをお願いします。

 当たり前のことですが、コロナウイルスの脅威は人種に関係なく迫ってきます。日本政府が迅速かつ的確に対応できないのであれば、どうか日本人のみなさんに声をあげてほしい。「デモをしろ」と言っているわけではありません。自宅からでもできることがあるのであれば、彼らを助けてほしいと願っています。

◆イ・テガン
1986年1月30日生まれ。韓国・チンジュ市出身。俳優・歌手・タレント・MC。2006年、韓国でグループ「ZAZA」にて歌手デビュー。08年、活動拠点を日本へ移す。14年から2年間の兵役のため韓国に帰国後、16年に再び日本へ。19年、東京・赤坂に韓国料理店「赤坂おんがね」をオープンした。5月4日、YouTubeチャンネル「テガンチューブ」を開設。

(AERA dot.編集部/竹内良介)