広島の外国人史上初の2年連続二桁勝利を挙げた翌09年、ルイスは6月26日の中日戦で“伝説”をつくる。0対1の6回無死、朝倉健太の1ボールからの2球目を、この年オープンしたばかりのマツダスタジアムの左翼場外に推定飛距離150メートルの特大同点ソロ。「ラッキーなスイングだったよ。気持ち良かったね」と会心の笑顔を見せた。

 さらに10月5日の横浜戦(横浜)でも、2対0の7回無死、高宮和也の足元に食い込んでくる128キロスライダーをすくい上げ、左翼場外に運ぶ推定145メートル弾。「今日は相手投手がスライダーをずっと投げていたからね」という投手ならではの読みが功を奏した。投げても7回を10奪三振の無失点と付け入る隙を与えず、11勝目。同年は9月9日のヤクルト戦(神宮)で石川雅規から放ったソロも含めてシーズン3本塁打を記録した。

 広島退団後の10年から古巣・レンジャーズに復帰したルイスは、11年にア・リーグワーストの被本塁打35と、今度は配給する側に回っている。

 07年に阪神に入団し、オリックス時代も含めて日本で3年間プレーしたライアン・ボーグルソンも、07年4月12日の中日戦(甲子園)で川上憲伸から、08年7月29日のヤクルト戦(神宮)で石川からと、2年連続で相手チームのエースから本塁打を放ち、打撃センスの良さをアピールした。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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