キャッシュレス決済が「バーチャルスラム」を生み出す 貧困の固定化という悪夢 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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キャッシュレス決済が「バーチャルスラム」を生み出す 貧困の固定化という悪夢

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家賃支払い状況のデータベース化に抗議する人たち (c)朝日新聞社

家賃支払い状況のデータベース化に抗議する人たち (c)朝日新聞社

 感染拡大が止まらない新型コロナの影響で、解雇されたり出勤停止に追い込まれたり……。新たな貧困層増加の可能性が引き起こす、新たな問題とは? 「誰も路頭に迷わせない!」を合言葉に、ホームレス問題や「大人の貧困」の実態をルポした『閉ざされた扉をこじ開ける――貧困と排除に抗うソーシャルアクション』(朝日新書)の著者、一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事・稲葉剛氏が報告する。

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■家賃滞納者のブラックリスト

 家賃滞納データベースとは、全国賃貸保証業協会(LICC)という業界団体が2010年から運用しているデータベースである。LICCには現在、全国の13の家賃保証会社が加盟しており、このデータベースには、過去にこの13社の利用者で家賃を滞納し、家賃保証会社が代位弁済(肩代わり)をした記録が一元的に蓄積されている。事実上の家賃滞納者ブラックリストである。

 2010年の家賃滞納データベースの運用開始時には、日本弁護士連合会や私たち生活困窮者支援団体は「住まいの貧困を悪化しかねない」として反対運動を行った経緯がある。LICCに属していない家賃保証会社の中には、信販系の会社も少なくない。最近では賃貸住宅の入居時にクレジットカードの作成を義務付けている家賃保証会社も出てきている。

 信販系の家賃保証会社では、クレジットカード同様、入居時の審査にあたっても信用情報機関の情報を活用しているものと思われる。つまり、過去に自己破産やクレジットカードの支払い遅延といった履歴があると、部屋を借りにくくなるということだ。クレジットカードの履歴はクレジットヒストリーと呼ばれており、クレジットカード社会のアメリカでは、良いクレジットヒストリーを維持することが良い生活をおくる上で重要だと言われている。日本ではあまりなじみのない考え方だが、今後、キャッシュレス決済が普及するにつれて、重視されていくであろう。


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