これらの訴えを大学はどう受け止めているのか。

 4月21日、明治学院大は次のような対応策を示した。学生目線に立とうとしていることがうかがえる。

(1)インターネット環境の整備、パソコン、周辺機器、といった準備が必要になります。そのための経費負担を少しでも軽減し、学修環境全般を整えていただくための緊急支援として、奨学金積立額より在学生全員に一人当たり一律50,000円を支給。
(2)新型コロナウイルスの影響で(雇用の喪失や収入の急減など)家計が急変し、勉学の継続に支障をきたした方を対象にして、特別な奨学金による救済措置を検討。
(3)4月末日を納入期限とした 2020年度春学期学納金の納入につきましては、納入期限を 5 月末日まで延長。(状況によっては再度の延長も考えます)

 ただし、授業料の返還は考えていない。

「明治学院大学では、オンライン授業の期間があっても、例年と変わらない質とレベルを保った教育を行うことを第一に考えております。当分の間、対面授業ができないという制約がありますが、そうした中でも明治学院の目指す教育をできるかぎり続けていくことが、本学に求められていると考えます。本学では『授業料』『施設費・設備費』については、これを単なる『個々の教育サービスに対する対価』や施設、設備の『利用料』とみなす考え方には立っておりません。新型コロナウイルス禍が終息するまで、オンライン授業によって教育の質を維持すると同時に、キャンパス、施設、設備の維持管理にも万全を期す所存です。したがいまして、現時点で『授業料』『施設費・設備費』の返還ならびに減額は考えておりません。皆様のご理解とご協力をお願いいたします」(いずれも同大学ウェブサイトから)

 獨協大もオンライン授業のための援助を打ち出し、給付額を10万円台に乗せた。

「2020年度春学期の授業を全面的に遠隔授業(オンライン授業等)に移行するにあたり、学生の学修環境整備への負担軽減のため、全学部生・大学院生に「2020年度獨協大学遠隔授業支援特別奨学金」として10万円を給付いたします。申請期間は5月11日(月)から17日(日)、給付は5月18日(月)から22日(金)を予定しています。申請方法、給付方法の詳細は、改めてお知らせいたします。2020年4月23日 獨協大学」

 こうなると体力勝負で、大学間の格差が出そうだ。

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