その小橋健太と素晴らしいライバル関係にあったのが佐々木健介。

 180cm115kgながら筋肉の鎧のような身体を作りあげた。多くの団体で活躍、IWGPヘビー級、三冠ヘビー級、GHCヘビー級という3大メジャー団体のヘビー級シングルタイトル獲得の偉業を成し遂げる。

 忘れられないのは05年7月18日ノア・東京ドーム大会の小橋健太戦。合計200発以上のチョップを、胸が変色するまでお互いに打ちあった。単純な打撃技だけの応酬だったが、この先ずっと語り継がれる伝説的シーンだ。14年の現役引退後は妻・北斗晶とともにタレント活動をおこなっているが、いまだ変わらない身体の厚みが伝わってくる。

 佐々木も師匠として尊敬していた伝説的レスラー、マサ斎藤も忘れられない。

 180cm120kgのズングリした体型に秘められた地力とアマレス仕込みの技術を武器に日米で名を馳せた。アメリカ滞在中のトラブルで刑務所送りになり、その間に『監獄固め』という必殺技を編み出したことでも有名。日本マットでは主に新日本で活躍、長州力の『維新軍』になくてはならない存在だった。87年10月4日、山口県・巌流島でアントニオ猪木とノーレフェリー・ノールール・無観客マッチで戦い、2時間以上の死闘をおこなったことでも有名。パーキンソン病を患い18年に75歳で他界した。

 今年の2月に現役引退した中西学(新日本)は186cm120kg。92年バルセロナ五輪レスリング日本代表にもなったほどの実力者であり、天然な性格も加わって人気は絶大。必殺技アルゼンチン・バックブリーカーやジャーマン・スープレックス・ホールドなどを駆使する戦いは、豪快そのものだった。米国WCWや他団体マットでも存在感を発揮するとともに『中西ランド』などお笑い系プロレスにも参加。記録と記憶に残るレスラーだった。試合中に脊髄損傷の重傷を負ったことで引退が早まったのが残念でならない。現在はバラエティ番組に引っ張りだこである。

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小さいながらも凄まじい「筋肉量」を誇るレスラーも