ダウンタウンの冠番組「水曜日のダウンタウン」はこの春で6年目に突入の人気番組 (C)朝日新聞社
ダウンタウンの冠番組「水曜日のダウンタウン
」はこの春で6年目に突入の人気番組 (C)朝日新聞社

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、緊急事態宣言も全国に拡大。不要不急な外出は自粛せざるを得ないという日々が日常になりつつあるなか、その影響はバラエティ番組の現場にも広がりを見せている。

【写真】松本人志と遺恨?があったと噂される大物芸人はこちら

 4月15日にオンエアされた「水曜日のダウンタウン」(TBS系)では次回の予告が放送されず、SNS上では番組を心配する声が続出。すぐさま同番組の総合演出を務める藤井健太郎氏は自身のツイッターで「在庫尽きました」とコメント。果たして、いまバラエティの現場で何が起こっているのか。バラエティ番組を手掛ける放送作家は語る。

「いま最も勢いのある人気番組『水ダウ』はドッキリ企画や検証ネタで長時間にわたってロケをする、その緻密さとしつこさに定評がある番組。しかし、公共放送としては“3つの密”は自粛ではなく厳禁なので、ロケ敢行が事実上不可能になった。15日のオンエアも、本来ならボツになってそうなネタが散見され、正直クオリティーの低下を感じるレベルでした。今見ても面白いVTRがたくさんある番組なので、しばらくは総集編でしのいだがほうがいいのではないでしょうか」

 いま、バラエティで主流となっているひな壇やゲームコーナーも緊急事態宣言下のバラエティ番組では不可能になり、ほぼすべての収録がストップ状態。当然ながら街ブラなどの外ロケもできない。

「『徹子の部屋』すら総集編をちょこちょこ入れ始めているため、いま収録できるバラエティなんて存在しないというのが正直なところ。しかし、7月からのオリンピックも1年延期になってしまい、各局その穴埋めでただでさえ大変なのに、今後どうやっていくのか見当もつきません。いま、あえて収録するなら、それこそ『徹子の部屋』みたいなサシトークを1.8メートル離れてやるしかないと思いますね。このまま再放送や総集編ばかりオンエアしてると、視聴者のテレビ離れが加速するのは避けられないでしょう」(前出の放送作家)

 バラエティだけではない。4月から始まる予定だった新ドラマも続々放送延期を発表。「半沢直樹」「BG ~身辺警護人~」「ハケンの品格」などの続編がいまだオンエアされない状況になっている。テレビ情報誌の編集者は言う。

「7月から五輪が予定されていたため、各局4月からの新ドラマに相当な予算を割き、視聴者をある程度とれる続編モノを多数ランナップしてましたが、まさかのコロナショックで撃沈。このままでは最終回を6月末にオンエアできず、トータルの話数をカットすることになるんじゃないか、という話も聞こえてきます。今、無理やり撮影を続行しても感染者が出ればロケは2週間以上止まるので、どこも動けない状態。もはや『今クールはあきらめて、7月からのオンエアを目指したほうがいい』という声もありますが、そうすると7月スタートの新ドラマが宙に浮いてしまいます」

著者プロフィールを見る
藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

藤原三星の記事一覧はこちら
次のページ
芸人はもちろん俳優陣もこぞってユーチューバーに