■西武:伊東勤


(通算成績:2379試合 1738安打 打率.247 156本塁打 811打点)

80~90年代の西武黄金期に正捕手として長らくチームを支えた。西武一筋で22年間プレーしたが、19シーズンにわたってレギュラー捕手として活躍。打撃成績はけっして派手さはないが、黄金時代の1番から9番まで切れ目のない打線の中では8番打者として、勝負強い打棒を発揮していたのを覚えている人も多いはずだ。守っても、ヤクルト時代の野村監督に「リードに傾向が出ず、読みづらい」と評されるなど、常に考えた配球で工藤公康、渡辺久信ら強力投手陣を上手く操っていた。捕手としては、プロ野球記録となる1263守備機会連続無失策を記録し、堅実な守備でチームを14度のリーグ優勝、8度の日本一に導いた球史に残る名捕手だ。

晩年の野村克也も被った西武のマスクは、近年では細川亨、炭谷銀仁朗らに引き継がれ、ここ2シーズンは森友哉が任されている。現在チームはリーグ2連覇中で、その原動力となった森は得意の打撃で、昨季は12年の巨人・阿部慎之助以来となる捕手の首位打者となった。今後、キャッチャーとしての能力がついてくれば、球団の歴史に残る捕手となれるポテンシャルがある。だが伊東が残した実績の壁は厚く、ここにいかに近づけるかは、西武ファンにとっては楽しみの一つだろう。

ロッテ:里崎智也
(通算成績:1089試合 890安打 打率.256 108本塁打 458打点)

第1回ワールドベースボールクラシック(WBC)では日本代表の正捕手を務め、平成を代表する打って守れるキャッチャーの代表だった。打つ方では05年から6年連続で2ケタ本塁打を放ち、通算で100本塁打以上を記録。これはロッテの生え抜きの捕手では最多となる。また、05年のソフトバンクとのCSと、阪神との日本シリーズは打撃でもチームをけん引し、球団31年ぶりの日本一に貢献するなど勝負強さが目立った。守備では05年(.400)と2009年(.382)に盗塁阻止率でリーグトップをマークし、ゴールデングラブ賞には2度選出。守る方でも長年チームを支え続けた。

里崎以外では、ロッテの前身の球団である毎日時代から正捕手を務めた醍醐猛夫も長年チームを支えた名捕手。オールスターに4度選出されるなど、オールドファンにとっては忘れられない選手だろう。その後は袴田英利、青柳進、清水将海らが正捕手を務めたが、長きにわたって君臨するキャッチャーが育たなかった中、それを打ち破った里崎の存在感は抜群だ。現在のレギュラーである田村龍弘も若くして定位置を掴んでいるだけに、今後打撃の成績が上がってくれば、球団を代表する捕手となりえるだろう。

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楽天、日本ハムの最強捕手は?