そして、特に僕ら芸人やタレントがコロナ関連で何か言うと「素人が!」とか「間違ったことを言いやがって」とネットで叩かれます。確かに素人だから、そういう面もあるでしょうし、反省しなきゃいけないこともあると思います。ただ、ワイドショーの罠に騙されている視聴者も多いなと感じるんですよね。例えば、レギュラー出演しているような某有名大学准教授やエコノミスト、元官僚、国際弁護士、政治評論家……そういう肩書きの人がコロナのことを語ってもあまり文句は言われません。今、コロナを語れるのは感染症の勉強をした専門家や医者、感染症関連の組織にいて現場をよく知る人ぐらいのはずで、医者の中でも脳外科やがんの専門家じゃダメなはずなんです。それなのに有識者枠の人なら専門外でも「良いこと言ってくれた」と言われ、タレントだけが「素人のくせに」と叩かれる。

 その差は何か。タレントは情報番組以外にもバラエティー番組やドラマとかに出ているから、「お前の本業はここじゃないだろ!」って見えやすいからなんですよね。ところが元官僚とかエコノミストって普段何をやってるのかわからない。勉強ができる人だろうなってことしかわからず、すべて正しいように見える。これって本当は専門家の“タレントとしてのテクニック”に騙されているんですよね。これは大昔から続いているテレビの見せ方なのに、熱くなって思考が止まって、叩きすぎちゃっていませんか。

 今は1億総評論家時代、総コメンテーター時代だから、自分が納得できない意見を言う人はカチンとくる。その対象は肩書きのある専門家よりも、芸人やタレントになりやすいわけです。専門家も芸人も同じようにオファーされているのに、です。そういうことも含めて、今は喧嘩しない! 協力しようという考え方が必要だと思います。

 感染者数の数字だって、一般の人がぱっと見て理解できるような出し方をしなきゃいけないんだけど、HPで数字だけ発表しているのは、現場がてんてこ舞いだからだと思うんです。感染症関連の組織で働く中枢の人たちは寝ずに働いているだろうし、ちゃんと仕事をしていると思う。それに対してガタガタ言うのも気の毒だし、文句は限りなく出てくるから、今は自分に何ができるのかを考えることだと思います。行政の手が回っていないことはできる人がやる。何よりも自粛をする、遊びに行かない。そういうことしかありません。

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