新型コロナウイルスに関しても、無駄な喧嘩や分断が増えています。何より大きいのはお金の問題でしょう。政府が発表した30万円の現金給付は誰がもらえるのか? 今はバラまくときなのに、なぜ一律で金を渡さないのか?と疑問を持つのが普通ですよね。国の中枢にはたくさん勉強してきた賢い人が集まっているはずなのに、それをやらないということは、やらない理由が何かしらあるんでしょう。それをちゃんと説明しろ!ということなんですよ。世の中、インテリばかりではありません。なぜそういうシステムを取ったのかをちゃんと分かるように説明しないと、みんな納得できないんですよ。求めているのは謝罪じゃない。

 総理でも官僚でもいい。こういう根拠があって30万円にしました、日本にはこういう背景とか条件があるから、これでみんなの幸せにつながるんだ、と説明する人を国民は求めているんです。表に出ると叩かれるからと恐れていてはいけない。それができないなら、自信がないか、言えない理由が何かあるんだろうと思われて当然ですよね。国の財政が破綻したとしても、人の命が助かるならそれでいいんですよ。人がいないと国の将来はないし、経済も潤わない、オリンピックだってできないわけだから。まず人命を優先するという考えじゃないとダメだと思うんですよね。国民はそういう人を望んでいると思います。

 SNSの文句合戦の一つとして、“ワイドショー叩き”も増えてきたと感じます。もちろん煽りすぎたり、雑な伝え方をするのは良くないと思いますよ。でも僕は、ワイドショーにも大事な役割があると思っています。みんなが偏差値高く、意識高いわけじゃないから、これだけ自粛しろと言われても、潮干狩りに行ったり、鎌倉旅行したり、ゲームセンターに行ったり、県外までドライブに行っちゃう人が一部いるわけです。それが国民です。みんながみんな報道番組を見るわけじゃないから、報道番組とバラエティー番組の中間にワイドショーがあって、そこでも砕けた表現とかわかりやすい伝え方でコロナの恐ろしさや自粛の意味を理解する人だっているわけです。ニュースを見ないやつが悪い、新聞読まないやつが悪いと片付けてはいけないんですよ。

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専門家コメンテーターの“罠”