現在ほとんどのイスラエル人は家にいることを義務づけられています。これは子どもを持つ家族にとっては挑戦です。私たち家族は子どもたちの日常的なスケジュールを維持するように努めています。午前中は勉強をし、午後は庭やコンピューターで遊び、夕方はテレビやNetflixを見ることを許しています。ありがたいことに学校はオンラインで継続され毎日遠隔授業があります。子どもたちはオンライン授業で勉強を続けるだけでなく、クラスメートや先生と会い、話をしていつものような関係も保つことができます。

 イスラエルでは今、人口の10%を占める超正統派ユダヤ教徒のなかでコロナウイルスが広がっています。特にエルサレムと、テルアビブ近郊のブネイブラクと呼ばれる二つの地域です。感染が広がっている理由は、人々がともに祈り、学習する習慣です。イスラエル人の感染者のうち3分の1近くが、ユダヤ教礼拝堂(シナゴーグ)で感染しています。政府は最初、屋外でなら10人まで一緒に祈ってもよい(ユダヤ教の祈りの一部は10人そろわないとできないものがあります)と許可していましたが、現在は集団で行うすべての祈りを禁止しました。

 その結果、この数日の動きには励まされるものがあります。日々の感染者数の上昇は鈍化して、85歳前後が多数を占める死者の数も、相対的に減ってきています。しかし患者数はそれでも膨大で、病院の全能力を注いで感染者に対応しています。

 一方の日本では、専門家会議のデータをもとに3月初旬は感染が食い止められ、学校の休校以外には目立った行動制限もなく、中国のいくつかの地域からのフライトが止められたことや、中国・韓国から日本への入国者に対して14日間の検疫期間が設けられただけでした。そして3月の連休は天候も良く花見と重なり、多くの日本人が野外に出かけました。商店やレストランも普通に営業していました。しかし4月に入ると東京など都市部を中心に感染者数の増加が始まり、日本政府は4月7日に緊急事態宣言を出しました。

次のページ