航空会社のホームページで調べると、当たり前であるが自社便の時刻しか表示されないため、4時間も5時間も便がない、ということもあるが、実はその間に他社の便が飛んでいた、なんてことも多い。

 『時刻表』では日本全国全区間の航空路線が掲載されており、しかもそれがすべて出発時刻順に掲載されている。自分の乗りたい(あるいは着きたい)時刻の便があるのか、どの会社で運行されているのか、がひと目でわかるのだ。

 もちろん検索アプリでも時間順に候補が出るが、航空の場合は検索アプリよりも、よく利用する航空会社の予約ページから入る人も多いので、最適便が見つけにくいという声をよく聞く。

 列車の時刻にしても航空の時刻にしても、自分が利用したい列車・便や着きたい時間の列車・便を見つけるには『時刻表』の一覧性がその特長を発揮する。「アプリでは“最短”経路が提示され、時刻表では“最適”経路が提示される」のである。

■ここがスゴイ!時刻表の持つ特長(2)保存性

 検索アプリでは経路が瞬時に提示されるが、出発時刻を遅らせる、到着時刻を早める、などの条件を変えたい場合は、また一から検索のやり直しになる。さらに前出の候補と比較したい場合も、検索のやり直しになる。

 『時刻表』ではアプリのように行程が消えてしまうわけではなく、候補自体がページ上にあるので、見比べることも容易である。また泊まりがけや長期の旅行を計画する際などには、紙の『時刻表』の方がバスや船舶なども含めた行程全体が概観でき、細かな比較検討がしやすく、必要な指定券・航空券の手配などもやりやすい。

 それが長じて、帰ってきてからの旅の思い出を残すこともできる。新婚旅行やフルムーン旅行など、『時刻表』が残っていれば列車が消えることはないので、自分が乗った列車や時刻、そして車窓や車内での会話に至るまで鮮明に思い出すことだって可能である。自分史の一部として『時刻表』が役立つこともあるのである。

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『時刻表』が生き残っていく絶対的「強み」とは