ソチ五輪でロシアの団体金メダル獲得に貢献したユリア・リプニツカヤ (c)朝日新聞社
ソチ五輪でロシアの団体金メダル獲得に貢献したユリア・リプニツカヤ (c)朝日新聞社

「やっと自分にスケートを楽しむ練習をさせてくれるようにまた戻してくれた、かけがえのない存在」

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 宇野昌磨は、今年から正式にコーチに就任したステファン・ランビエールについてこう語った。現役時代のランビエールは、2006年トリノ五輪で銀メダルを獲得、05・06年世界選手権で連覇を果たしている。美しいスピンや卓越したスケーティングで世界を魅了したランビエールは、今もプロスケーターとしてアイスショーに出演、また振付師やコーチとしても活動している。技術・芸術の両面で秀でるランビエールは、引退後もフィギュアスケート界になくてはならない存在だ。

 選手として、またコーチとしても成功している例として挙げられるのは、ブライアン・オーサーだ。1984年サラエボ五輪、そして次の88年カルガリー五輪で銀メダルを獲得し「ミスター・トリプルアクセル」と呼ばれたオーサーは、現役引退後はアイスショー「スターズ・オン・アイス」に出演、プロスケーターとして活躍した。その後コーチとして教えたキム・ヨナは10年バンクーバー五輪で、羽生結弦も14年ソチ五輪・18年平昌五輪で金メダルを獲得。そして現在も、拠点とするクリケット・クラブで多くのトップスケーターを指導している。

 06年トリノ五輪で銅メダルを獲得、08年世界選手権で優勝して現役を引退したジェフリー・バトルは、プロスケーターとして活動する一方で、振付師としては羽生の『バラード第1番』などを手がけた。現役時代から曲想を美しく表現するスケーティングが魅力だったバトルは、コリオグラファーとして今もその才能を発揮し続けている。

 コリオグラファーには、現役時代スケーティングに磨きをかけてきた元アイスダンサーが多い。有川梨絵とのペアで01・02年全日本選手権・アイスダンスの連覇を果たしている宮本賢二は、多くのトップスケーターの振り付けを担当してきた。代表作といえる、10年バンクーバー五輪で銅メダルを獲得した高橋大輔のショートプログラム『eye』は、高橋の格好良さを世界に印象付ける作品だった。

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日本で人気もあったロシアのあの選手は?